※ここからの語りはアヤになります。
《ヒロキ》
「ねぇ、今日ハルキと遊ぶんだけど、アヤ来ない?ハルキの友達呼んであげるから」
カスミの突然の誘いにあたしは戸惑った。だけど好奇心もあり、あたしはカスミの誘いに乗った。
その日の夜、あたしはカスミとの待ち合わせ場所へ急いだ。服装、化粧…うん、大丈夫。あたしは念入りにチェックして出かけた。
カスミと約束した場所へ行くと、カスミはすでにハルキという名の男の車の中に居た。あたしはカスミに気になっていることを耳打ちした。
『カスミ…今更だけどタツオは?タツオにバレたらヤバくない?』
タツオはカスミの彼氏。
「いーの、いーの。遊ばなきゃやってらんないし。別にいーじゃん!タツオのことは気にしないで。」
カスミは軽く言った。あたしはカスミの軽率さが気になった。
「こんばんはっ!初めまして〜、ハルキでーす!名前は?何ちゃん?」
ハルキがカスミの横で明るく言った。あたしはハルキの顔の醜さに驚いた。まるで中学時代のあたしだ…。あたしはまたカスミに耳打ちした。
『ちょっと…カスミ!カスミこんなのと遊んでんの?』
「ばーか!ハルキは金づるだよ。あたしがこんな不細工、相手にするわけないじゃん!」
『マジで?カスミってば悪い女だね!』
「魔性の女目指してますから〜!」
あたし達はハルキを馬鹿にして笑った。少し前までは笑える立場じゃなかった。だけど過去を気にしてハルキに同情出来るほどあたしは純粋じゃなかった。あたしはハルキの車に乗った。ハルキの車には、リュウジという名の男がいた。あたしはリュウジと喋りながらハルキに買ってもらった酒を飲み干した。
「俺、今日夜仕事なんだ。だからアヤの携帯の番号教えて?電話するから。」
リュウジに言われ、あたしとリュウジは番号を交換した。リュウジと別れ、あたし達は三人になった。
「これからどうする?他のやつ呼ぶか?…あ、俺が昔リーダーやってた車のチームがコンビニにたむろってんだ。そこ行くか?」
と、ハルキが言ってきた。誰もあんたがチームのリーダーだったなんて聞いてないよ…あたしとカスミは顔を合わせて笑った。
『お願いしまーす!』
心とは裏腹に愛想よく答えた。とりあえず愛想は振りまいておかないとね。これから良い男に会わせてもらうんだし。あたし達はコンビニに向かった。
《続く》