真恋?

羅々子  2006-10-14投稿
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「おはよ…」
昨日の事のせいで、どうしても暗くなってしまう…。紗姫に心配かけたくないのに。
「どうしたの??」案の定聞いて来た。
「なんでもないよ…大丈夫」
しかし、紗姫はすべてお見通しみたい…。
「そんなわけないでしょ。」
親友ってすごいな…改めて思う。
「……」
「話して??」
「うん……あのね、軽い恋ばかりの自分がすごくいやなの…」
「そっか…でもさ、今好きなひとできないんでしょ??」
「うん」
「じゃあそれって自分が変わろうとしてる証拠なんじゃない??」
「えっ…??」
「だから、次の恋はほんとの恋だって!!」
「そうかな…??」「うん、そうだよ」
「ありがとう…」「わっ!!やばい…遅刻しちゃうよ!!」
「あっ…うん!!!」紗姫がいてくれてほんとによかった。紗姫のおかげで今の自分がいる。≪放課後≫
「美夢〜…今日、うち居残りになっちゃったから先帰っててっ!ごめん」「うん。分かった。頑張ってね」
「バイバイ」

一人静かすぎる道を歩いていた。その静かさはなぜか今の私の辛さを増やした。
「キャッ!!」
背後から手首を掴まれ、あっと言う間に身動きがとれなくなった。
「静かにしろ。一言でも喋ったら殺すぞ。」
怖い…誰か助けて…殺される…!!!

口にハンカチを当てられた。どんどん意識が遠くなっていく。
「その子を放せよ!!」
最後に聞いた声はそれだった。
私は気を失った。

「ん…ここ…どこ??」
「おっ気がついたか!!」
意識を失うまえに聞いた声。
「助けて…くれたんですか??」
「おぅ!!俺様が助けてやったぜ!!」自慢気に話す子供のような彼からは私を通り魔から救ってくれたなど考えられない。
「クスッ」
「な…なんだよ!!」
「だってなんか面白い。」
「……」
彼は頬を赤らめ、そっぽを向いた。「お前、名前なんて言うんだよ??」「えっ…??」
「名前だよ!!名前。」
「神崎美夢。あなたは??」
「俺は山中流佳。」
「助けてくれて…ありがとね」
「あ…あぁ。」

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