?,夢と始まり…-?-
初夏の香りがどこと無く薫レイヴィア大陸。そこに国家こそは小さいがとても平和な国があった。その国の名はパーレイア。様々な種族を受け入れているただ一つの国だ。他の国は決してそんな事はしない。それは千年も前に創られた『ハピの書』が語っている。『ハピの書』とは、この世界の成り立ちから、神話、そして世界の歴史を記録したものである。ちなみに今も書き継がれている。スキュラに住む人々は共通で『聖書』と呼んでいる。さて、パーレイアの南東にティールーという土地がある。そこには神殿があった。人々はそこを『ネフティア神殿』と呼んでいる。物語の始まりは、その神殿からだった。
｢お父様!フェルシア只今帰りました！｣
少女の声が神殿に木霊する。その容姿は、十代半ば、まだあどけない少女だった。白いワンピース姿で目は曇りのない緑に、髪はとても薄い栗色だった。表情はとても明るい。
｢フィー遅かったね。｣
今度は低いそれでいて良く通る声が響いた。
｢あ、お父様…ごめんなさい。｣
少女が謝ると、大司祭は少女の頭を撫でて言った。
｢今度からは早く帰って来るんだよ。｣
｢はい。分かりました。｣少女は笑いながら答えた。ヴェリアル･レイフォールド。それが私の父もとい大司祭の名前だった。私の名前はフェルシア･レイフォールド。神の舞いの舞い手である。それ以外は普通の子と変わらない。少し前までは…。ここ最近、私は変な夢を見るのである。そう、竜の夢を…。
『グレイヴ大陸』。ここは竜が治める地である。私はある任の為この地から飛び立った。
一時間前
｢ヴィ･オルフェイ。そなたの姉…ヴィ･レヴィの件だか…パーレイアといい地にいるらしい。｣
｢真ですか？竜神様？｣
｢分からぬ…只少なくとも行く価値はあろう。行って真意を見て来るが良い。｣
｢分かりました。｣
それから私は故郷の地を飛び立ち、姉を探し始めた。只…私は竜族なので、降りる時は姿を変えねばならなかった。少し面倒だか仕方がない。竜はグレイヴ大陸から出る事は滅多にないのだから。
パーレイア国ティールー『ネフティア神殿』
今の時間パーレイアは夜だった。私はベットに入り、少しまどろんだ後に眠りについた。
?に続く…
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