−こんばんわ。返事遅くなってごめんね。今はちょうどお風呂あがったとこだよ。明日の英語の予習を今からしようかなって思ってます。−
−予習するんだ、偉いね。−
工藤からの返信は5分も経たないうちにきた。
−うん。明日の先生は厳しいからさ。予習してないと立たされるんだよ。小学生じゃないのにね。−
−あ〜、先生って田村っけ?その話先輩から聞いたことがあるわ。本当に立たせるの?−
−だよ。私も一回立ったし(笑)−
−はは。かなりウケるし。でも、手塚さんが焦ってるの想像できるわ〜。−
工藤とのメールは楽しかった。内容が尽きなくて、憧れを抱いていた工藤とメールができるなんて梓は思ってなかった。その間にマコトからのメールの受信があったが、後回しにしてしまった。わざわざユカを演じなくても、梓自身でこんなにも胸がトキメく思いができる。
−そうだ。明日さっそく現代法学コピらせてね。昼休み学校いるでしょ?−
−うん。3限あるし。−
−なら、13時に図書館前で待ち合わせでいい?−
−いいよ。図書館前ね。−
−よろしく。あっ、もうこんな時間だ。予習しないといけなかったね、ごめんね。そんじゃ、また明日〜おやすみ。−
−うん。おやすみ。−
時間を見てみるともう1時を過ぎていた。こんな時間まで起きているのは久し振りだった。少し眠たかったけど、工藤とのメールは終わらせたくなかったのが梓の本心であった。そして、後回しにしたマコトからのメールに返信せず、梓は眠りに就いた。たった一日の出来事だったが、マコトよりも工藤の存在の方が大きくなったのは確かだった。
梓が寝てしばらくしてマコトからまたメールが入った。
−ユカ?もう寝たの?なら俺も寝るね。おやすみ。また明日メール待ってるよ。−