小高い山の麓。
なだらかな草原を風が吹き抜けて行く。太陽が大地を照らして行く。
もうすぐ行ったところに森がある。小さな木が伸びあい競いあっている。
さらに上ると小さな村が見えるレンガ作りの家が十ちょっと。その村の奥に古ぼけたお城。大きな城門の前に一人の少年が立っていた。
ザクギリの黒髪と黒い眼。大陸の王国見習い騎士の格好をした17くらいの少年。
「すぅー…よし!!」
ゆっくり…ゆっくり城門に手をかけた。ギギギギッと古い音を立てて門が開く…開く…まだ開く…
「ありゃっっ」
そして…ズドォォーーンと音を起てて…倒れた。
壊してしまったのだ。
少年があたふたしていると埃がもうもうとする城中から、コツカツと音を起てながら慌ただしく男がやって来た。
「な、ななななぁ〜んてことをっ」
執事!!と言ったビシッとした感じの服に身を包んだ華奢な男。少年を警戒してか、へんな構えをしている。
「あ、いやっ…その」
「なんなんですかっ!?さては盗賊!?そうなんですねっ!?」
「いやっちょまっ」
「衛兵!!」
裏返った声が城中に響く。その声に反応して、また?華奢な一人兵士が現れた。