私は病室のベッドの上で考え事をしていた。
(やっと名前で呼んでって言えた…)
そう。私は名字で呼ばれるのが嫌いな訳ではない。
ただ京介君にそう呼んで欲しかっただけ。
今はその気持ちで十分。
いつかはきっと…
そんな事を考えていた私は、明後日から登校する学校の事を思い出した。
(そう言えば御崎先生…)
御崎先生は退院したらまず自分の所に来なさいと言っていた。
(何なんだろう…)
一抹の不安を抱えながら、私は眠りについた。