ちょうど華の頬のあたりだ。
華は表情を変えない。
「僕いくつに見えるかな?」
華は足下から順に見た。
磨かれた茶色の革靴、シワのない黒のスーツ。ワイシャツにはシンプルなストライプだが高そうなネクタイ・・・
話をする以外にこの3分で表情の変化はない。目尻にはシワが目立つがこの至近距離で見ても肌は綺麗だ。髪も黒く、しっかりしている。
ソファに腰掛けているため身長ははっきりわからないものの、なかなかスタイルが良さそうだし。歳は・・・四十前後だろうか。
でも、キャバクラって疑似恋愛を提供するところでしょう?
「三十・・・三!」
若干若めに、華の歳にちょうど十足した。
「ちなみに君は?」
「二十三です。だから私の予想はちょうど十違い。どうです?当たりましたか?」