「おかしな行動 4」

Poirot  2006-10-16投稿
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「私が犯人になりたかった!?そんなことするわけないじゃないですか」
「いや、君はイギリスの法を学んでいた。そして知ってたんだ。このイギリスでは一度逮捕して無罪放免になった者は同じ容疑で逮捕できないということを!」ワードレ警部は机に乗り出して今にもスピニードに噛み付かんばかりだった。

「犯行の翌日君の家の浴室からこれがみつかった」証拠の物品の中からみつけた小さな白い石のようなものをだした。
「なんですか、ただのガラスの破片じゃないですか。」
「そのとおり、ガラスの破片だ。しかしなぜ触りもしないでガラスだとわかった?」
「そりゃこんなに白いんだガラスに決まっているだろう!」
「そうかな?私はこれを探していたがみつからなかった。なぜならずっとこれが石だと思っていたからだ。手に取ってみて初めてこの物質の正体がわかった。それなのに君は一目で見分けた。どうしてかな?」
「それは…あの置物と」
「色が一緒だったから?違う。あの置物は透明だ。しかしこれは傷がつき白い」
「それだけじゃ犯人とは言えないだろ!」
「ではこのガラスと君の靴の裏にある妙なへこみが一致したとしたら?」
「…くっ!」スピニードは思いっきり机を叩いた。
「犯人は君だよスピニード」ワードレ警部は静かに言った。
「動機は金だな?ヘンリーに多額の借金をしていた。しかしそんなことが警察にわかってしまったら事件の容疑者としてはもっとも疑わしい人物になってしまう。だから数週間もかけてヘンリーとわざと喧嘩をしたんだ。違うか?」
「…そうです」頭をうなだれながらスピニードはつぶやいた。
「よろしい!では私はこれで」
扉を開け振り向くと最後にスピニードにこう言った。
「どうかな私の推理ショーは。楽しんでいただけたかな?」

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