「私の能力、忘れたわけじゃないですよね?」
そぅまどかが言うと龍華はフッと鼻で笑ってから言った。
「忘れるわけないだろ・・・」
まどかの能力は重力を操る。さっき、短刀が重く感じたのはまどかの拳に重力がこもっていたせいだ。
「そろそろ限界じゃないですか?」
まどかが言うように、龍華の手にはもぅ限界が来ていた。まどかの重力がこもった拳を短刀で止めているせいで短刀はかなりの重さになっている。その短刀を持っている龍華の手に激痛が走る。
「このぉっ・・・!」
龍華は力一杯に短刀を押した。まどかは後ろに飛んた。そのせいで、龍華の短刀は地面に転がった。
「うぅっ・・・」
龍華はあまりの手の痛さに、その場に膝を付いた。
「龍華!」
藻は龍華のほうへ駆け寄った。まどかはその姿を見てニッと笑った後に、秀の隣へ一瞬で戻った。
「鈍りましたね・・・龍華さん」
秀は龍華の方を見て言った。
「まさか、5年前のあの日から戦ってないとか?」
「・・・!」
龍華の顔を見ると、秀はため息をついた。秀が言っていたことは図星だったからだ。
「そんなんだからいけないんですよ」
「なん・・・だと・・・?」
「気を抜くのも程々にしてくださいね。俺等は手加減しませんよ」
と、秀が言うと秀の後ろから大きな竜が現れた。