竜也『俺は何者なんだ…何だこれは?』
竜也は幻覚の様な「何か」を見ていた。その光景はまさに地獄だった。 全身火傷を負って苦しむ者、目玉が飛び出しもがき苦しむ者、黒く焼け焦げた屍の山…
そして目の前にはその惨劇を見ながら笑っている外国人の青年が立っている。
青年「ギャハハハハ!!黄色猿どもがいいざまだ!!だろ竜介!」
竜也『竜介?何で?俺の名前?』
竜介『お前らアメリカのせいで…兄貴もみんな…許せん!!』
竜介と呼ばれる竜也の身体を支配する者は腰に刺していた日本刀でその青年に切りかかった!!
瑠美「嫌だよ…嘘だよ…」
犬は大地の腕を引きちぎり肉を食らい始めた。大地はショックにより失神していた。あかねはピクリとも動かない。周りは血の海だ…
そしてとうとう犬は瑠美に近付いて来た。
瑠美『やめて…嫌よ…助けて…竜也!!』
その時倒れていた竜也が立ち上がった。
竜也「糞犬!!お前の相手は俺だ!!」
「グサ!!」
さっきは通らなかった刃が腹に突き刺さった。そして今度は犬が刺した衝撃で吹っ飛んだ。竜也は包丁を抜き取った。すると犬の傷はみるみるうちに治癒した。 瑠美「何で?傷が治った…」
そして犬は反撃に転じ竜也に襲いかかった。しかし竜也は犬のタックルをあっさりとかわし首を狙って包丁を振り落とした。 竜也「死ねぇぇぇぇぇ!!!」
「ザシュッ!!」
さすがに頭と身体が離されると再生は不可能らしい…
竜也「大丈夫か?女。」
瑠美「嫌…首ぃが…イヤぁ…」
瑠美はショックのあまり気を失った。そして後を追うように竜也も倒れた。
最早、誰が生きていて誰か死んでいるのかわからなかった。
黒いBMWは高速道路横須賀線を北へと走る。後部座席に座る外国人の青年は一人こうつぶやいた。
青年「お早う竜介。また始まるな僕とお前のあの夏の続きが。」
続く