鋭い角をはやした、鬼って実際居るのだろうか。
私は、物語や言い伝えだと思っていました。
ある日、信じられない事が起こりました。
私の前に現れたからです。
角が有って、顔が青く、体がデカイ。
「おっ、お前は…鬼か」
「はいっ、鬼でごさいます。」
礼儀正しい、鬼…
何だか、似つかわしくないな。
「その通りでございます。」
鬼は答えた。
納得が行かないまま、質問をしたのだが…
「鬼らしく無いなぁ。」
「はい、鬼とは、元々貴方の心に生きて居るのでございます。」
心とは、自己形成の一部で有り、創念が産み出した物である。
私は思った。
鬼とは、自身の醜い自分の分身なのだと…
今まで、やって来た数々の事…
誰かに迷惑や、嫌な思いをさせていなかったかな。
反面教師に成っていませんか。
スイマセンでした。
やり直して頑張ります。
悟った途端に、世界が明るく楽しい物に見えて来たのだった。
鬼ヶ島の鬼は、静かに笑った。