僕は全てに関して自信がない。妹たちはとても可愛くて愛想がいいから、みんなにちやほやされていた。目つきが悪いとか落ち着きがないとか、僕に関してはかなりの言いようだ。
でも彼女は違った。初めて会ったときから僕に優しくて、僕の服のセンスを誉めてもくれた。ずっと一緒にいたいと思った。あの暖かな口調を聞いていると僕はウットリとしてしまう。僕からは何も言えないけれど彼女に会うときは少しだけ積極的に近づくようにしている。
ある日突然彼女が言った。
「うちに来る?」
ビックリした。僕に言っているの?本当に?信じられない…
「うん…行くよ。」
やっとそれだけ答えて、おぼつかない足取りで彼女の車に乗り込んだ。妹たちが驚いた顔で見ている。でも僕にはもう彼女しか見えない。
「あんた何その子猫!また拾ってきたの?」
「もらったの〜。だって可愛いから。ペルシャ入ってるんだよ!毛並みがふわふわ♪私になついたからさ〜。」
「目がつり上がってる…」
「他はメスばっかりなんだもん。可愛いかったけど私はこの子が気に入ったの!」
「しょうがないわね…」
僕はすごく幸せだ。