舗装されていない道を車で走っていると、
しばしば可笑しな物に出くわす
今回もそうであって、私は迷わず車を止めた
石が私のヒザくらいの高さまで積まれていて、
赤、黄、青の布がはためいている
目の前に少女が一人、立っていた
「これは何?」
身振り手振りで伝える
「お墓よ」
「お墓?」
聞くところによるとこの辺りは「鳥葬」といって、
山頂などに死者の遺体を運んで、鳥に食わせる葬りかたが一般らしい
「体に宿る多くの神々が天に帰るのを、助けてさしあげるのよ」
少女は目をつむり、手を組む
肉などはもう鳥に食われて、
骨だけになっている死骸が
横たわっていた
夕闇の光が
少女と死者を照らしていた