ワオォォォン…森の奥深くから、獣の叫びが聞こえてきた時、ようやく夜が始まる…
スッと雲に月が隠れ、薄暗いカラーに森は染められた…。そんな森の中に2つの人影が動く…。
「牙…行くのか。」「あぁ…俺は行くぜブラック。」
二人の名は牙とブラック。親友だ。二人はこの森に幼い時に捨てられ、孤となり出会い、この森に育ち、この森を住処としてきて今に至るのだ
牙は言う。
「俺は今やっと幸せだと感じているんだ…確かに俺は今まで色々な悪事を働いてきた。でも今恋をしてるんだ俺は幸せ…」
ブラックは途中で遮る。目をランランと輝かせ、伸びきった爪で今にも牙に闘いを挑みそうなブラック。ブラックは髪をふりみだしながら吠える
「お前は街には行けねぇ。何故ならお前は人じゃねぇからだ牙!人と狼の子だろ。俺と同じだろ!牙。人間界に馴染めなかったから、ここに捨てられたんだろ。」
そう…二人の最大の秘密は人狼だと言うこと嘘のようで本当の話なのだ。牙は辛そうに頭を振る…。
「あぁでも人の血も流れてるじゃないか…。なぁ今人間界に馴染めるかもしれない。チャンスかも、しれねぇぞブラック俺は恋も人狼だからと言うことだけで出来ないのか?俺は行きたいから行くぜ町に」
ブラックは…知っていた。今まで街に出ていった同じ様な仲間がどんな悲惨な目に、あったのか。街に出ていくと言って出ていった多くの仲間の寂しそうな背中達。牙にそんな背中向けてほしくない…だから止めるんだ…牙は知らないから街に行きたいんだろう。でもこれ以上仲間を辛い目に合わせたくない…だから行かせねぇ!ブラックは最終兵器を放つことにした。