ディフェンド? ”動揺” 53

 2006-10-21投稿
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「ギャオォォォォォッ!!!」
 竜は上を向いて大きな声で鳴いた。その声のあまりの大きさに足がすくみそうだった。秀の能力は竜を操る能力だった。
 「俺達のリーダーだった人がこんなになってしまったなんて残念です」
 そぅ秀が言うと、竜はもぅ1鳴きして背中にある黒い翼で羽ばたいて龍華達の方へ飛んできた。
 「・・・!」
 藻は龍華の方を見た。龍華はただそこに立っているだけで、動かなかった。
 「龍華!」
 
 ドカァン・・・

 竜は何かにぶつかった。それは、大きな岩の壁だった。
 「龍華!しっかりしろ!」
 「・・・!・・・。藻。スマン」
 龍華の目の前には藻の姿があった。藻が上げた両手の先には岩の壁があった。藻の能力は岩を操る能力なのだ。
 「藻先生も能力持ってたんだ」
 その岩の壁を見たまどかは、少し驚いたような顔をして言った。
 「龍華。どぅしたんだ・・・?」
 藻は龍華に問う。
 「いや。なんでもない」
 「行くぞ、龍華。反撃だ」
 「あぁ。分かってる」
 
 この時藻は気づかなかった。

 龍華の心に最悪な気持ちが芽生えていたことに・・・

 それは

 ―――動揺と言う気持ちだった。

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