ガチャッ
「きゃぁぁあっ!!」
「わぁっ!!すっ…すみませんっ…驚かせるつもりはなかったんですが…」
そこに居たのは26歳ぐらいだろうか…若そうな男の人
「あの…昨日隣に越して来た佐藤です…昨日、挨拶に来たんですが出かけているみたいだったんで…」
フッと隣を見たら、綺麗な女の人がニコッと微笑んでいた
『新婚さんかな…』
その人達は丁寧に挨拶を済ませると自分達の部屋に戻って行った
────────。
それから私はあの古い店を探した
しかし、いくら探してもあの店は見付からなかった…
結局指輪をどうする事も出来ないまま私はアパートに帰った
その日の夜、私は何かあったら嫌だと思い枕元に花瓶を置いてから床についた
────────。
ドンッドンッドンッ
「うぅ〜…─てぇ〜…──してぇ〜…」
ドンッドンッドンッ
『…………来た!!!』
ドンッドンッドンッ
「…返して〜…うぅ〜…返してぇ〜」
『そんなに返してほしいならくれてやる!!』
私は枕元に置いていた花瓶を手に持ち、恐る恐るドアの穴をのぞいた
『…誰も居ない…』
私は気のせいだったのかと一安心して床に戻ろうと振り向いた
ドンッ
…ドンッドンッ
次はアパートの窓を叩いている
私の心臓は早く脈打ち、手が小刻に震え、冷汗が頬を流れた…
『え…ここ…2階なんだけど…』
一晩中アパートの窓やドアを叩く音が鳴り響いた…