シャワーの音が鳴り響いていた。
僕の部屋に付くと、君はシャワーを浴びていた。
ガラスのテーブルの上には、シルバーの指輪が置いてあった。
時計を見ると、2時を回っていた。
君がシャワーを浴びている時に、何度も携帯が鳴ったが―・・そのままに
していた。
相手は誰か分かっていた・・
また、携帯が鳴った。着信を見たら、あの人で僕が出ようとしたら
シャワーの音が止まったので、テーブルの上に携帯を置いた。
髪の毛が濡れている君が出てくると、携帯を見つめ
そっと電源を切った。
僕を見つけると、僕の隣に座った。
いつもと違う姿の君に何度も見惚れていた。
窓を見ると、東京タワーが綺麗に照らされていた。
君が窓にそっと手を当てると、東京タワーと手が重なった。
手が重なると、僕に笑顔で答えた。
君の無邪気なその姿がとても好きで―・・
君の手に僕の手を重ねると、そっとキスをした。
何度も唇を重ねた。
東京タワーが照らす光の下で、君と愛を交わした。
これが―・・最後になるかも知れない。
朝になれば、僕との時間は終わって君はあの人の所に帰ってしまう。
いつもと変わらない朝を僕は過ごすだろう・・
腕の中で眠っている君を見ると、涙が溢れてしまった。
”これが最後かも知れない”
そう思うと、涙が止まらず溢れていた。
このまま、君を抱き締めていたい。。ずっと―・・
こんなに貴方を愛しているのに。
安らかに眠っている君を見ると、涙が止まらず君の顔にそっとキスをした。