300円の指輪〜最終話〜

時雨  2006-10-22投稿
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「分かった…」


『え?』


そう聞こえた私は目を開いた


『…………!!』


天井の板と板の間に人の目がある…

『しまった!!天井には御札貼ってない!!…に…逃げなきゃ!!』


私がそう思った時にはもう遅かった

私の体はピンッと硬直し動けなくなっていた


バサァァァア


クモが落ちてくるみたいに天井から人が落ちてきた


ドサッ


『うっ!!!』

私のお腹の上に落ちてきたソレはニタァッと笑い私に言った

「…ねぇ?…私の指輪返してょ〜……明日、結婚式なの…」

と、私に左手をかざす
まるで指輪を自慢するような手付きで


けれど左手の薬指だけが無かった…
そこからは骨が見え血が流れていた




────────。




「ねぇ…あの古い店があんじゃん?あの店に売ってある300円の指輪さぁ〜真っ赤でマジ綺麗らしいよぉ!?」



────あの日からこのアパートに若い子が越して来た…
大声であの指輪の事を電話している…




“次はこの子か”




────────。




私はこのアパートの天井に、あの女と一緒に居る…お腹も空かないし体も軽いから私はあの時死んだのだろう…いや“連れて行かれた”が正しいだろうか






300円の指輪見かけた事ないですか?
そしてあなたの家の天井に…私が居ませんか?



早く見付けてほしいです



  †終わり†

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