「分かった…」
『え?』
そう聞こえた私は目を開いた
『…………!!』
天井の板と板の間に人の目がある…
『しまった!!天井には御札貼ってない!!…に…逃げなきゃ!!』
私がそう思った時にはもう遅かった
私の体はピンッと硬直し動けなくなっていた
バサァァァア
クモが落ちてくるみたいに天井から人が落ちてきた
ドサッ
『うっ!!!』
私のお腹の上に落ちてきたソレはニタァッと笑い私に言った
「…ねぇ?…私の指輪返してょ〜……明日、結婚式なの…」
と、私に左手をかざす
まるで指輪を自慢するような手付きで
けれど左手の薬指だけが無かった…
そこからは骨が見え血が流れていた
────────。
「ねぇ…あの古い店があんじゃん?あの店に売ってある300円の指輪さぁ〜真っ赤でマジ綺麗らしいよぉ!?」
────あの日からこのアパートに若い子が越して来た…
大声であの指輪の事を電話している…
“次はこの子か”
────────。
私はこのアパートの天井に、あの女と一緒に居る…お腹も空かないし体も軽いから私はあの時死んだのだろう…いや“連れて行かれた”が正しいだろうか
300円の指輪見かけた事ないですか?
そしてあなたの家の天井に…私が居ませんか?
早く見付けてほしいです
†終わり†