我が子と夫に対する罪悪感が募り、自ら命を──
白藍のお母様は純粋で純粋すぎた為に自身が許せなかったのだろう──
命を絶つ、それは黄藍にとって一生許せず、身代わりと言う被害にあった黄藍の母親を思えば、私の存在も許せず─
私は白藍の妻になって子供を生んで、幸せで──でも好きな人を忘れられず、白藍のお母様みたいに命を絶つのかしら?
夫である白藍と我が子を残して…
黄藍はそれを懸念して私にあんな話を──
「じゃあな、いいか! さっさとセイヤを落として駆け落ちでも破談にでもしろよ」
「しません」
「それが出来ないなら俺に襲われる覚悟をしろ」
「白藍が怒るとは思わないの?」
「例え白藍が二度と俺の顔を見たく無いと言っても、あんたと結婚させるよりマシだ」
「──……何でそんなに……白藍を」
「あいつには借りがある。それだけだ」
「えっ借り? ちょっ…まっ」
黄藍は話途中で車を発進させ、行ってしまった。
呆然と朱斐が見送る。
「ハァおかしな人、双子じゃないのに何であんなに白藍だけが大事なのかしら」
朱斐が家の呼び鈴を鳴らす、が誰も来ない。
「?聖夜……いないのかしら」
自分でドアのキーロックを外し、家に入る。
朱斐が黙ってリビングに向かう。
「ッ……帰ってたのか、朱斐」
「聖夜いたの? ちょあなたお酒飲んでたの?」
リビングのソファに気ダルそうにしている聖夜がいた。寝ていた体を起こし、ソファに座り直す。
テーブルには大量の空の酒瓶があった。
「ど…うかしたの?聖夜」
「何も無い」
聖夜の見た事無い荒れブリに朱斐はオロオロ戸惑う。
「とりあえず、か・片付けるね」
朱斐が聖夜の前にある空ビンを片付けようと近付く。
「……れ……たんだ」
「えっ? 何? 聞こえな…」
「桃実と別れたんだ」
酔っぱらいの聖夜が頭を押さえながら悲痛な面持ちで言った。
「わか……冗談でしょ? だってあんなに仲良かったじゃない」
「──……」
聖夜はうつ向き黙りこむ。
朱斐は固まり、心の中がざわめく。
───奪えよ───
朱斐の心の中で黄藍の言葉が木霊する。
私は聖夜をアイシテル
ホントウに?