夜遊びのたえない私は、今日も最終電車にのって家に帰る。
───そしたらいつもいる
───アイツが
カンカンカンッとう高音と共に、踏み切りが閉まっていくのが確認できた。
「あっ………。」
私は思わず声を出してしまった。何せ今日も目があってしまったのだ。踏み切りの前に立っている黒い陰と。
「まただ………。」
私の体の力が抜けた。安堵というよりも、これは恐怖で力が入らなくなった感覚だろう。私はこんな感覚を今日を含めて連続7回体験している。
そう、あの黒い陰と目があうようになったのは、ちょうど一週間前からと言うことだ。
「……なんなんだろう。」
私は小さく呟き、電車をおりた。電車は私がおりるのを待ち詫びてたかのように、私がおりたと共に早々と走りさっていった。
私は改札口に切符をいれ、駅を出て、今日寄り道をせず直ぐに家路に着いた。そして少し時間が気になったので、携帯の時計を見た。
「もう12時か………。」
私は携帯をパタンッと閉じ、家路の途中の踏み切りを渡ろうとした
──ガタンガタンッ!!!!
私は音のする方向をはっと見た。しかしその時には既に遅く、電車は私の前方1メートルほどにいた。
そして運転席には………───
黒い陰があった。