ブラック―夜の叫びが始まりし時―

アサミ  2006-10-24投稿
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ブラックは拳を固く握り締めて言った最終兵器の叫び…
「俺を倒していけ。牙…それが出来ないのなら街には行かせねぇ」牙は黙った…静かに眼を閉じた…拳を交えるのは好きじゃない。闘えば強いかもしれないが自分から闘いを挑まないタイプだ…。そんな俺を知っているからブラックは闘えと言ったんだろう…。街に往かせない為。何故そこまでするんだろう。ブラックはどうして、さっきから哀しそうに叫ぶんだろう…分かんねぇな…。
ブラックは長年牙と一緒に過ごしていた為に牙が仲間とは、なるべく闘う事を避けている事を知っていた。牙が闘う事を嫌う事も…だから牙は街に行かないと行ってくれるだろう俺と人狼としてこの森にいてくれるだろう
しかし…ブラックの考え方は甘過ぎた……。牙は口を開いた。指をポキポキ言わせながら「俺は人狼だけど人間界に行きたい…恋を自由にしたい。だから闘おうブラック…俺が街に行く為に」
ブラックは驚いた。あの闘い嫌いな牙が闘おうだと!?信じられねぇ…信じたくない。ソコまで自分の嫌う闘いまでして街に行きてぇのか牙は…
ブラックは眼をランランと輝かせていた眼を冷たい正常なブラックの眼に戻した。
「行けよ…さっさと行っちまえよ!!牙なんて名前知らね、顔も見たくない!!」
牙は哀しそうに頭を振るとご免ブラックと呟き背をブラックに向けた…ブラックの見たくない仲間の…牙の寂しそうな背中…
ブラックの視界がボヤけた。生暖かい…初めて知る涙の存在…行かせないお前は街に行けば死ぬんだ…今までの仲間と同じ運命なんだよ…恋なんてもんの為にお前は殺されるのか人間に…たまんないぜ空しいぜ…ハッ人間に殺されるお前なんか…今までのお前の中で一番格好悪い惨めなお前だぜ…そんな風に殺られるなら………………
ブラックは再び眼をランランと輝かせ爪を磨ぎ鋭くすると人狼の叫びを上げた…森全体に哀しい人狼ブラックの叫びが響き渡る…
牙の耳にも届いた。今までで一番哀しそうなブラックの叫び
ブラックは気配を消す拳を固く固くする。森の中を素早く走るブラックの影が月光に照らされる
牙の後ろに追いつくブラック…

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