『とりあえずお茶のみぃや。』
『茶なんかいらんのじゃ。毒でも入ってたらかなわんからな』
俺は名前は日向。
この時、補導されて取り調べを受けていた。
こじんまりとした、コンクリート壁の個室で。
俺には付き合ってた女がいた。
そいつは俺を裏切った。これが補導の原因や。
それは昨日のこと
電話で
「たすけて」
と俺にいってきた。
場所をすぐに聞くと走って助けにいった。
だがそれは
罠にすぎなかった。
ついてドアを開けたら
男が10人、そして女が5人、その5人のなかに彼女がいた。
『はぁぃはぁぃ、騙されてる若頭が到着。そんなのでやくざ勤まるのかな?』
と彼女に言われて、
ただただ茫然と立つしかなかった。
そぅ、俺は組長の孫として生まれ、跡取りとして成長してきた。この年でやくざがどれだけ自分にマイナスなのかがわかって、後を継がないことにした矢先のことだった。
その時初めて裏切りだと理解した。