「渡したいもの?」
「ちょっと目閉じて。」
「うん。」
僕は、彼女の言う通りに目を閉じた。
僕の右手首に何かが巻かれ、ハンカチが手元から失くなった。
「もう目を開けていいよ。」
僕は目を開けて、右手首を見た。
青と白の二色で編まれている紐が巻かれていた。
「これ何?」
「ミサンガっていうの。切れたら願い事が叶うんだって。」
「願い事が叶うなんてすごい。」
「でも、一つしか叶わないけどね。」
「じゃあ、僕の願い事はーーーーーーにする。」
僕の言った願い事に彼女は笑った。
「きっと……叶うよ。」