目が覚めるといつもと変わらない朝だった。
僕の隣には、君が安らかに眠っていた。
その姿を見ると、僕はとても安心した。
美しいその寝顔を見ると、そっと髪に触れた。
髪を撫でると、額にキスをし君の携帯に手にすると
電話を鳴らした。
電話に出ると、あの人だった―・・優しい声の持ち主だった。
全てを話すと、君を迎えに来るといい電話を切った。
電話を切ると、君を見つめた・・安らかに眠っている君を見ると
たった一言
「愛してる・・」
そう呟くと、一粒の涙を流した。
”これでいいんだ”
何度も自分に言い聞かすと、しゃがみ込み涙を流してしまった。
こんなになるほど、貴方を愛しているのに・・手放したくはないのに。
そう思うと、涙が止まらず声を殺して泣いていた。
君には、聞こえないように泣いていた。
ガラスのテーブルの上から、シルバーの指輪を見つけると
君の指にはめた。
シルバーの指輪をはめると、切なく輝いていた・・
君の姿を目に何度も焼き付けていた。
このまま、君を連れて何処かに行きたい。誰も知らない所へ―・・
その時、玄関をノックする音が聞こえた。
眠っている君を抱きかかえると、ドアを開けた。
ドアを開けると、そこにはあの人が立っていた。
僕と、目を合わせずに君を渡すと何も言わずに出て行った。
静まり返った部屋に戻ると、窓を見つめた。
君を抱きかかえ、車に乗る姿があった。
僕の眼には、涙が溢れていて君の姿が見えないでいた。
車が行くと、泣き崩れていた・・
”これでいいんだ”
と何度も自分に言い聞かせたが、君がいない現実に受け止められなくて
泣き崩れていた。。