ありえない
「あら、この子…前にお会いしたことがあるわ。」
家庭教師の藍子さんは、ステンレス製の本棚の空きスペースに目を留め、そこに飾ってある集合写真の右端を指指しながら言った。
「…ぇ。何処で…」
まさか
「夏祭りの時にね。一緒に遊びませんかって言われたの。」
先生は中学生の私に気を使ってか、直接な発言こそしなかったが、中2にもなって。ましてやあんなのと一緒に居れば、意味くらい当然のように解る。
先生、ご迷惑おかけしました。あの、あの
「馬鹿ノブっ!」
ゲシッゲシッゲシッゲシッ
「けーだーもーのーがぁーっ」