白く美しい獣

S・  2006-10-29投稿
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毎日‐毎日―\r
俺は一人家の外の 丘で町並みを眺めていた―\r
気まぐれだと思われることが多い‐何となく感覚でそんなことは分る‐分っていた―\r

俺だけじゃない‐でも‐そんな事全然気にはしてはいなかった‐

ある日一匹の獣が 丘に登っているのが見えた‐
(あれは...何だ?)はっきりは見えない....光の反射でだろう...
後を遅れた俺は急いでその獣を追った‐
(はぁはぁはぁはぁ)
全力疾走で駆け上がる―\r

登ると高らかに息を吸い‐汗を拭き 周りを見渡した‐
何なのだろう‐

この...感覚‐

友達がいなかった俺に神様は‐

何も考えず‐走り白く美しい獣の前に立った‐

膝をまげ息を整える‐

獣は‐不思議な目付をしていた‐
歯が鋭く‐体が大きかった

目があった瞬間‐ とてもじゃないが かたまった‐
ペロ‐顔を舐めた‐俺は獣を見た‐ とても優しい顔をしていた―\r

俺は頭を撫ぜて― 会ったばかりなので自己紹介をした―\r
はぁはぁはぁはぁ ―\r
俺はクラよろしく―
はぁはぁはぁはぁ
横を見たり後ろを見たり―\r
警戒しているようだった―\r
何でなのか分らなかった俺自身少しイラついたが考え直し落着き獣の方を向いた―\r

クゥゥゥゥゥゥン ペロ―\r

俺の顔を舐めると 口に加えていた不思議な何かを吐き出した‐

その瞬間敏感に耳がたちタテガミも立った―\r

踵(きびす)を返し逃げて行った―\r

友達が出来たと(クラ)俺は勘違いしていた―\r

山の方から高らかに遠吠えが聞こえてきた―\r
ワォォォォォォォ――ン!!

俺は山を見少し感謝したように‐
(涙)を流した―\r
ありがとう神様‐
僕やっやっと....下を向き(涙)を拭いた‐
山から‐
― ―パァァァ―ン――――――――
(わぁびっくりしたまたバンビの狩りでもしてんのか‐)俺はまさかさっきの白い獣が撃たれ殺されてはいないか‐ためらいながら家に帰った‐

次の日あの丘に行くと‐
白く美しい獣がいた‐
嬉しさで駆寄って行く俺‐
白く美しい獣は動かなかった‐
ただ...少しだけ..獣が見せない‐
素顔で‐アリガトウ‐ と聞こえた‐
空耳かと思った‐ 白い獣は俺の前には居なかった―あの日‐獣が落した 物は白い石だった



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