きっとまたあの夢だ…
長い長い下り坂…
進んでも進んでも先が見えない…
そして目の前が真っ暗になる。
早く目が覚めて欲しい……
ずっと下り坂を進んでいるのに……
…きっ
遠くから声がする
誰か…呼んでいる?
…ゅき
ゆき!!ゆき!!
カズヒロ…??
カズヒロ!!
「なんで泣きながら寝てんだよ!びっくりするだろっ!!」
「…グスッ………ぅん。コワイ夢見てたカラ…」
すっとあたしの頭の下へ手を伸ばし、腕まくらをしてくれるカズヒロ。
あたしは恥ずかしくて背を向けた。
そうでもしなきゃやばかった。
カズヒロと唇が触れそうになったから…
それでもカズヒロは優しくあたしの背中をトン
。トン。と撫でてくれた。
昔小さい頃お父さんにしてもらったあの手と同じだった。
それまで破裂しそうなくらいに高鳴っていた心臓も落ち着きを取り戻した。
スゴク、落ち着く…
「ゆきさん、オレに惚れるなよ(笑)」
「……ぅん〜。」