「なんか
その患者が
どっか居なくなっちゃったんだってえー!
しかもおー…」
「しかも何?!」
じらすリサに那智は
返事を焦らせた。
「昔の初恋の人を
捜しに行く。
って置き手紙
残してったんだって!」
「えっ!…へえー…」
那智はリサのその言葉に
何だか乙女心を動かされ
テレビをくいいるように見つめた。
すると
「たった今!
今回医療ミスをされた
患者の中川友義(なかがわともよし)さん(18)
の写真を入手しました!
これです!
この顔を見かけたら
…へご連絡を下さい!」
(えっ…?!
…さっきの人?!)
那智は思った。
そう。
さっき会った怪しい人物は友義だったのだ。
「えー♪中々かっこよくなあい!?」
リサがそんなことを言うもんだから
他の友達も盛り上がった。「かっこいーい♪」
しかし
そんなことを言ってると
「こらあー!
補習の時間
始まってるぞっ!」
上から先生が呼びに来た。
「ええー…
はあーい」
それに
みんなは渋々と従った。
しかし
那智だけは呆然としていた。
(あの人だよね…?
大丈夫なのかな…?)
ずっとそんなことばかり
考えていたのだ。
「おーい那智いー?」
「えっ…ああ。」
リサの呼びかけに
我に帰った。
※04話へ続く