…ドンッ!!
ベットから落ちて目が覚めた。
(…ん〜
カズヒロ寝相ワルスギ…)
ベットの上には大の字で心地良さそうに眠るカズヒロの姿。
テーブルの上にカズヒロのタバコが置いてあったので一本拝借した。
ソファーにもたれタバコを吸う…
ピンポーンー。
チャイムがなった。
…覗き穴からドアの外へ目をやると、知らない女の人が立っていた。
カチャ。
カギを開けドアを開こうとしたその時、後ろからカズヒロの手が伸びてきてすかさずカギを閉める。
あたしは困惑の表情でカズヒロの顔を見た。
「…なんで?」って言おうとしたその時、
「おはよっ。泣き虫ゆきちゃん☆」
そしてカズヒロはあたしのおでこにチュッと軽くキスをした。
少しの間、あたしの時間が止まった。
頭の中は真っ白。
そして冷静を取り戻し……
「カズヒロ、さっきの彼女なの??」
「ん〜彼女ってか、正しくは元カノだなっ。」
「はぁ?意味分からないけど…」
「えっと、昨日別れた。」
あたしの頭の中はますます真っ白だった。
ドンドン !!
ドアをしきりに叩く音
「カズー、いるんでしょ?ちょっと開けてくれない?」
彼女の声がする。
「ちょっと、行って来るわ」
と言い残してカズヒロは彼女の元へ向かう。
あたしはなにひとつ返す言葉がなかった。