竜のつめは龍華のいる場所に刺さっていった。そして、また煙が舞った。
「龍―――」
藻が地面に手を付いて起き上がろうとしたとき、また背中が重くなった。
「動くなっていいましたよね?」
「くっ・・・」
これ以上動いたら本当に潰されてしまう。藻はそれ以上動くことが出来なかった。
「まだ傷も付けられてないんだけどな」
秀はため息をついた。しばらくすると、秀はその場のある異変に気づいた。それは
「熱い・・・」
その場はさっきより熱くなっていた。そして、一番熱く感じたのは秀の目の前にある煙の中からだった。
ブワァツ!!
煙の中から勢いよく炎が飛び出してきて、舞っていた煙をはらった。そして、その中には龍華の姿があった。
「なん・・・だと・・・」
秀は少し驚いているようだ。龍華は竜のほうに炎の壁を向けて立っていた。
「傷・・・か。そんなにつきたいなら、つけてやるよ」
龍華はニッと笑っていった。