19歳(夏)
あたしの誕生日は夏だ。俊弘の誕生日は春だった事もあって、2人で祝う事が出来た。でも、夏はそうはいかない。あたしも俊弘も夏休みと言えばバイトだったから…。特に俊弘は片親な事もあって、夏休みは稼ぎ時となる。
「ちょっと遅くなるけど誕生日のお祝いしようなっ。」
「無理しないでいいよ。」
俊弘はいつもあたしに優しかった。結局あたしの誕生日祝いは3日後になった。その日は1日中2人で過ごした。特に何処かに行く事はなかったけど、あたしの隣にずっと俊弘がいるって事が何よりも嬉しい誕生日プレゼントだった。いつ間でもこの時が続けば良いとあたしは思っていたんだ、この時までは…