ブラック―夜の叫びが始まりし時―

アサミ  2006-11-01投稿
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ブラックは夜なかなか寝就けなかった…隣に寝かせてある牙の生きている様な…でも死んでいる遺体。見ている内に脳裏に箜鋤の言葉が、フットよぎる。ブラックは牙を生き返らせる為には何でもするつもりだ…この言葉に偽りはない…。命だってやる気だ。
―でも、俺の言葉によって本当に神が来ちまうなんて。本当に命と引換に牙を生き返らせに来るなんて…―ブラックはその後も眠れずに朝を迎えた…考えはまとまっていた…
牙は楼孥の言葉なんてほとんど聞こえていなかった…視界がボヤけている。見るに見かねた楼孥が、牙の肩にそっと手を置き口を開いた
「おい牙しっかりしろよ。泣いてんのか?上手くは言えないが…ブラックの痛みを感じてんだなお前。でもな過ぎた事なんだ…過去の出来事。ブラックだってお前に、俺達の事を言ったら傷つくのを知ってて言わなかったんだろうよ。分かってやれよ牙…今更お前がアイツの過去の痛み感じても、アイツの優しさを無駄にする事になんだぜ牙。今さっき真実を知ったんだ。そりゃショックだろうよ辛いだろうよ…でもな…だからこそ、今お前はここからしっかりとブラックの事を見ててやるんだ。それが今のお前の役目なんだ分かったか牙…!」
牙はゆっくりと楼孥の方を向いた。涙の跡がうっすらと残っているが哀しそうな表情はしていなかった。そして口を開いたのだ…
「楼孥さん諭して頂いて有難うございます。そうですね…過去の事に今更俺がショック受けてられませんね。俺ブラックをここからきちんと見守ります」
楼孥は微笑んだ。(正直上手く言えなかったから、伝わってるかどうか不安だったのだ)牙は新たな決意を胸に刻みこんだのだった

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