もっと、声が聞きたくて

里咲 のあ  2006-11-02投稿
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天気予報通り.夕方から、小雨が振り出し夜には本降りになった。六月のまだ長袖を着ようか、半袖を出そうか迷うような、そんな季節だった。今年の夏は冷夏らしいと、国営放送のハゲ気象予報士が言っていたが、あの気象予報士の予想は当たったことがない。天気予報は86%は確実に当たるそうだ。気象予報士の仕事は残りの14%の不確定な部分を自分でデータを解析し、1%ずつ精度を高めて行き、天気予報が当たる確率を高めて行くと、金縁メガネをかけた、秋葉原の匂いのする気象予報士の言葉だ。そんなものかと菜々美は国営放送のハゲ気象予報士の天気予報を見ずにはいられなかった。天気予報が終わる頃、菜々美が住んでいるマンションの7階のエレベーターが開き、静かて、柔らかなゆっくりとした足取りの瀬尾晃の靴音が廊下に染み入るように響く音が聞こえて来るのだ。晃とは週に一度か二度しか会えない、金曜日の夜の3時間位だ。菜々美は人の道に外れるような恋愛をしていた。いや、今では不倫などは当たり前なのかも知れない。男女問わずそうだが、日本の人口は男女比は1たい1であるが持てる男や女は限られている。持てる男や女は永久に死ぬまでもてて、持てない男女は永久に持てない。理不尽なことだとはおもうが、それが現実なのだから仕方がない。晃の事を考えているだけで、下半身の芯の部分が敏感になり、イヤらしい液体が菜々美のパンティをジワジワと濡らしていく。そんな時は、自分で自慰行為をして我慢するしかない。自慰をするためにアダルトビデオも使った事があるが、晃のモノを覚えてしまうと、晃を思い会いたくて。自慰行為をする方が何倍もエクスタシーを得る事が出来た。雨は降りやまず、時計を見ると8時45分だった。菜々美はもうすぐやってくる。晃を予感しながら、テレビをつけた。



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