鎖で繋がっている。
鎖が絡みつく。
とうとう身動きが取れなくなってしまった。
私は彼女の親友だから、彼女が何を望んでいるのかわかってる。
「殺してあげる」
私は知っていた。彼女が死にたがっていることを。
彼女は笑顔だった。鎖が軋む。
「殺してあげるつもりだったよ。なのに」
校庭の桜の樹から鎖の輪が垂れ、穴から彼女の顔が出ていた。
今まで見たことも無いような、幸せそうな顔。
「契約違反だよ」
彼女はお兄さんに恋をして、叶わないことを嘆き、死を望んでいた。私もまた、愛する人を傷つけたいという欲求に悩んでいた。
だから、二人で契約してた。いつか殺してあげるって。
頬を涙が伝う。きっと彼女を殺せなかった悔しさだ。
でも、なんだろう。この寂しさと悲しさは。
涙が溢れて止まらなかった。