「俺、お前のこと好きなんだ」
その一言で、全身の血が一気に沸騰した。
照れたわけでもないのに、心臓がドクドクして煩かった。
今日の学校が終わるまで、普通に話していて、普通の友達だった、ゲームを貸して欲しいと言いその日のうちに家まで来た。そしていきなりの告白。
「え・・・・・っと」
「返事は今度でいいから」
その男子は、決してかっこいいと言う人ではなかった。眼鏡にボサボサな髪の毛。正直、自分の中で友達と認識されていたのかすらわからない。それなのに、相手は自分に好意を持っていた。
返事をすることもできなくて、相手は帰っていった。扉を閉めて、混乱している頭を必死に押さえようとした。ずっと外にいるわけにもいかなくて、親や兄弟には知られないように急いで部屋に戻った。急いで友達にメールを打ち、事情を説明する。
その日は、2泊3日の修学旅行前夜だった。