調査隊が廃病院に潜入してから三日が経過していた。
そんな中、ある一人の男がマスコミの前に現れた。
「確かにいたんだ…本当さ…信じてくれ…」
彼は数日前から行方不明になっていた男だった。
聞くところによると、あの廃病院から無事生還してきたのだという。
「まず、なぜあの廃病院へ入っていこうと思われたのですか?順を追って説明してください!」
記者が急き立てる。
男の顔に無数のフラッシュがたかれた。
「まただ…あいつが…くる…」
男の目は虚空を据えていた。顔は不自然に蒼白く、およそ生気というものが感じられない。
「…『あいつ』というのは?廃病院の奥に何者かが潜んでいるというのですか?」
「…かげ…影…が…」
「影?一体それはどういう…?」
目をゆっくりと閉じたかと思うと、男は突然その場に崩れ落ちた。
男は間もなく息をひきとった。
このことは大々的に世間に報じられ、人々の不安と好奇心をさらに煽ることとなった。
一方そのころ、調査隊は廃病院の霊安室内に潜伏していた。
続く