帝国軍、兵士部隊は確実にアンクレット城を目指し、歩を進めていた。
帝国兵士長A「城は、もうすぐだぁ!アンクレット城を制圧するのだ!!」
おそらく、部隊を束ねるらしき者が剣を空にかざし、千もの兵士の指揮を高めていた。
が、しかし。上空からなにかの鳴き声が聞こえた。
あまりにも威嚇的で、響き渡る鳴き声。
帝国兵士B「こ、この鳴き声はいったい…!?」
目の前にいきなり、火柱が上がり、爆風が砂埃を巻きおこした。
爆発した向こう側で巨大な翼を持つ生き物が着地していた。
帝国兵士長A「罠かっ!?」
目の前が砂埃で見えなくなっていた。
だんだん見えてきていた。
兵士達の行く先に蒼い竜が通さん、とばかりに立ち塞がっていた。
帝国兵士B「ド、ドラゴンだ!」
隊が乱れつつ、あったがすぐさま、兵士達は武器を一斉に構えた。
帝国兵士長A「今の爆炎はこの竜の仕業か!」
蒼い竜は兵士達を見据え、
喉を鳴らし、口から炎を零れさせた。
帝国兵士長A「ぇえい!ひるむな!!ドラゴンとて、生き物!無敵ではないのだ!仕留めるのだ!!」
大勢の兵士がドラゴン目掛け、突撃していた。
アイン「待ってください!」
兵士達の動きがピタっと止まった。
蒼い竜の背から人が飛び降りた。金髪の少年、連合騎士団の鎧を纏った少年アインだった。
帝国兵士「子供!?」
アイン「僕はあなた方、帝国軍殲滅の命を受け、来ました。」
帝国兵士長「おぬしがか?小僧、馬鹿もやすみやすみ言え。そこをどいてもらおうか!」
アイン「ここからは一歩も通しません!争いは避けたいんだ!引いてくれ」
帝国兵士達は唖然としていた。
帝国兵士長「できぬ問いだ!かかれぃ!!」
兵士達が雄叫びを揚げながら突撃してくる。
アイン「くっしかたない!」
背に帯刀していた大剣を抜刀し構えた。
レグナ「だーから、説得は無駄だと言ったのだ小僧。ちょっと、どいておれ!」
レグナはアインを自分の後ろに引かせ、こちらへ向かってくる兵士達に爆炎をぶつけた。
続。