洞穴の中に眩しい光が行き届く…朝。ブラックは大きく伸びをして外に出た。まだ箜鋤は来ていなかった。ブラックは太陽と影を見てから
「まだ、四時か。神も寝んのか…?」
と独り言を呟いた…洞穴に戻るとブラックは牙の遺体に話しかけた
「なぁ牙…俺な馬鹿な頭なりに、考えたんだぜ。絶対良い方法だと思う。生き返らせるまで待ってろよ牙…」
ブラックはまた洞穴の外に出た。ソワソワして何だか落ち着かない…とその時パッと箜鋤が現れた。
牙は静かにブラックを見ていた。牙はブラックの言葉に感動を覚えていた。―俺を生き返らせてくれるんだアイツ。待ってるからなブラック…ずっと信じて待ってるから―牙が見ている背後から拏蛇[ナダ]がやって来た。(…拏蛇は楼孥の弟に、あたる奴だ牙とブラックとよくつるんでいた大切な仲間だ)
「牙。ブラックはどんな調子だ?もうアイツなら起きてんだろ」
「あぁ拏蛇か。ブラックなら、もう起きてるぜ。なんか、俺を生き返らせてくれんだってさ」
「アイツに、んな事出来るかねぇ」
「ブラックになら出来る!」
「悪かった悪かった牙…ムキになんなって。でもよ何で言い切れんだょ」
「信じてるからだよ拏蛇。それにブラックはさ、自分がヤル気だしたら最後まで、やるタイプだし。」
「そっか。まぁ見てれば、じきに分かるか。何か進展あったら報告ヨロシクな!じゃあな牙また、楼孥兄とでも、くんぜ」
拏蛇フラフラと牙から離れていった…牙はまた静かになった中ブラックを見ていた…
ブラックは箜鋤に歩み寄った。箜鋤は静かに尋ねる…
「お主何か決めよったのぅ?昨日と大分顔つきが違っておる…はて何を決めたかの聞こうかのぅ」
ブラックは、もう一歩だけ、歩み寄ると口を開いた…
「箜鋤さんだっけか?俺命はさすがに無理だわ…」
「では牙殿は生き返れないのぅ」
「人の話は最後まで聞いてくれ!俺昨日ずっと考えてたんだ…よく物語とかで、蘇らせる為に死の世界に行くじゃんか。そんな事は出来ねぇのか?命はさすがに無理だけど…アイツの為、他に何か出来ねぇのか?」