Ism-イズム‐?

 2006-11-04投稿
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タクシーの運転手さんに、目的地を告げる。今日は広さんの方が酔っ払っているので、広さんを先に降ろす事にした。
もうすぐ広さん家に着くところで、広さんが急に…
『すみません!止めて!早く止めて!』
車が止まり…即効降りたと思えばリバース…。
勘弁してよぉ…!!
とりあえずタクシーの支払いを済ませ、近くのコンビニで、二日酔い用ドリンクと水を買い、広さんに渡しに行くと…
外なのに…寝てる…
《めんどくさぁ〜い!》
しょうがなく、真麻は広さんを何とか家まで送った。


皆なら、この時ほっとける??
外で寝てしまった、職場の人を…
そんなの言い訳になるのかもしれないけど………


広さんを介護して、しばらくて、真麻は帰ろうとした。
その時、広さんがうつぶせに寝ながら…こう言った。
『真麻…行かないで』
耳を疑った。だけど、皆がネタにしてた事とつじつまが合ったんだ…。
真麻は、自分の気持ちに気付きたくなかったんだ。
トキメキを封じ込めてたんだ。
凌太との平穏な生活を、守りたかったから…。
なのに…知ってる癖に何でそんな事、広さんは言ったの…?
もぅ悩みたくなぃのに…
真麻は…広さんの1Rの玄関から動けなくなった。


真麻はその時…広さんの弱った姿をみて…余計にほっとけなかった…
広さんとは、今まで色々と話した…広さんの家族関係は複雑だった。だから、人一倍寂しがりやで、周りに対して愛情深い。そして、強がりだ。人に弱音を吐く所を見た事がない。

今だけは…そばにいてあげたい。
真麻は、広さんの近くに寄り添う様に、黙ったまま座った。
広さんも黙ったまま…真麻を後ろから抱きしめた。


真麻には拒否する事ができなかった。
広さんに抱き締められたかったんだ…
前からずっと…
隠してた気持ちが…
もぅ隠せない程に、胸を熱くさせてたんだ。
もぅトキメキたくなかったのに…
広さんに出会わなければ、こんな苦しむ事はなかったのに…。恋をするのは…幸せとは限らない。
もぅ…恋なんかしたくなかったのに…。
凌太とずっと、一緒にいるって約束したのに…



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