「なるほど、おまえは死んだことになるから追っ手がかからないということか。その提案は実行可能だ。サイラス政府がどうなろうとこっちの知ったことじゃない。それで、何を元にクローンを作るね」
案外素直にのってきた。
「それは、これからだ」
そして僕はサインに向き直った。
「船が正直に実行するように君が見張っていてくれないか? 船にとって君はとても大事な
存在だ。サインが守ってくれれば僕は生き返る事ができるはずだ」
「わかりました。私は、それでなくても人間を殺させることを見過ごしにはできませんから」
「それでなくてもの、それってなに?」
船のコンピューターが言ったさっきの言葉から、大体のことは想像できたけど聞いてみた。
サインは潤んだ目で僕を見上げていった。
「あなたを愛してるということです」
やっぱりねという僕の言葉は、サインの唇で出口をふさがれてしまった。
さっき船のコンピューターはサインをダッチワイフと呼んだ。
つまり人間(男)に愛されるのがサインの役目なのだ。
それなら自分も男を愛するようにできているのが当然だ。
プログラム上の愛でも愛には変わりないだろう。きっとサインは僕を守ってくれるに違い
ない。サインがダッチワイフロボットだったことに、僕は感謝した。
熱い口付けを交わす間に僕の股間は元気よく持ちあがってきたし、触ってみるとサインの
そこもどろどろにとろけていた。
それから約一時間、僕らはお互いの体をむさぼるように抱き合った。
その間、僕のクローンの元になる細胞が五回サインの体内に入っていった。
手術後、僕が再び目覚めた時には、カレンダーの数字が一週間分変わっていた。
エッチな方程式 了