その日、「私」はいつものように学校へ向かっていた。
私・・東宮ありさは、高校2年生のどこにでもいそうな普通の女の子だ。
これが何故こんなことになったのかは・・自分でも、よく解らない。
― 恋文。―\r
あ、いた・・
視線の先には、ありさの大好きな人・・由宇(ゆう)がいた。別々の高校で、会えるのはありさが寝坊したときだけである。声をかけてみようと思うが、なかなか言えず、そして彼は駅で降りてしまう。
「・・今日も、ダメかぁ」ありさは誰にも聞こえないように呟く。いつになったら声をかけられるんだろう、なんて考えていると、彼の座っていた席にある「忘れ物」に気づく。
「・・近づける、チャンスかもしれない」ありさは、それを手に取ってみた。
そのとき、