あなたに愛されていると想うこと…
あなたに愛されていると信じ、あなたの笑顔を見ることがあたしの幸せだったんだよ?
―中学二年、4月。
ピンクに彩られた桜が咲き乱れる並木道をとおりクラス発表を見るために学校へ向かう。
あー一年生のクラスのままでいいのに…
そう思うあたし、桜井幸香。
一年生のクラスは最強で最高だった。
生徒会最大行事の体育祭!
その中でもクラス対抗リレー!!
総合の時間をつぶしたリレー練習日が二回ほどあったけど、二回とも…ビリ。
どうしてこうも足の遅いヒトばかりなんだ…。
いや、団結力がないのかもなぁー。
なんてことを思っていたのに…
体育祭当日―クラス対抗リレー第一位!
奇跡…かな。奇跡だよね。
そしてそして合唱祭!
幸香のクラスは【マイバラード】を歌った。
他のクラスは朝練・昼練をして頑張ってたなぁー…。
幸香のクラスは、なーんにもしなかった。
みんなめんどくさかったのだ。
それなのに…
合唱祭当日―学年グランプリ!
これはもう奇跡じゃない!きっとクラスの団結だよね!
一年生のクラスは史上最強の団結力があった。
だからクラス替えがとっても嫌だった。
と言うのも理由の一つ。
本当の理由は、片思いの好きなヒトと離れたくなかったから…
中学一年生の幸香にだって、恋心はあったんだもん!
そーんなことを思いながら歩いていると、学校へ着いた。
「幸香ー!」
そう手を振りながら満面の笑みで幸香を呼ぶのはマイだ。
一年生のころ同じクラスで、この頃には幸香の大親友となっていた。
『おはよ〜…マイークラス替えやだよぉー。』
「あたしだってやだよぉ…。あのクラス最高だったのになぁ。」
『うう…マイ〜』幸香は泣き虫だった。