あたしはお店を辞め、自分の殻に閉じこもり、以前のようにウリで生活をしていた。自分に対する怒りと悲しみ、もどかしさを抑えられなくなっていた。その想いを満たすため、男と寝た。今のあたしは、自分が嫌っていた大人たちと変わらない。尚吾が見たらどう思うだろう。ここ数日、尚吾はお店に出ていないらしい。店長からあたしに電話がきたが、あたしにだってわからない。もう、尚吾に見捨てられたのだ。あたしと尚吾は友だちでもなんでもない。 尚吾が死んだと連絡が来たのは、数ヶ月経った頃だった。尚吾は、ずっと入院をしていたそうだ。