ジタバタと必死に抵抗する林もやがて教師に抑えられる。その他２人はもはや、論外で教師が教室に入ると慌てて自分の席に着いた。(コイツらはまだ教師が怖い)有馬はダレに抑えられることもなく、ただ、林を冷徹な目で見下した。安田や千葉には一瞥もくれず、クラスのお調子者が
「有馬コェー」
などとちゃかすと、「何？コイツ？」とも言いたげな眼差しを送った。
林が落ち着き、教師も「これから説教でも始めっか〜」的な軌道に乗り始めたところで、林は教室のドアを蹴り破り、出ていってしまった。途中の各教室の壁を鬱憤晴らしがてらパンチする音が聞こえる。
教師が「頭痛が…」と一言だけ言って、「有馬は逃がさない」かのように腕をつかんだ。さらさら逃げる気も無い上、何か悪いことをしたとも思ってない。
「バカなヤツらは痛いおもいをする。」有馬の考えはこの程度であったし、教師との１対１の会話でもそう言った。
教師も疲れたという雰囲気がありありと出た感じで
「有馬も挑発したんだから、原因はなんであれ、手を出されるのは解っていたはずだぞ。」と『自分は優秀な教師です』的な一面を見せ付ける一言を放つ。有馬の反応は冷たかった。
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