友義に
個室の病室が
用意された。
友義はずっと
黙っている。
しかし
看護士さんが
居なくなると
窓の方を向き
涙を流した。
たまに聞こえてくる
鼻をすする音が妙に
那智を悲しくさせた。
（友義……）
友義は那智に
きて
とジｪｽﾁｬｰして
那智が
近くに来ると
那智の服を掴み
離さなかった。
怖いんだろうな。
我慢出来ないんだろうな。
可哀相な友義。
那智は
力いっぱい
友義を抱きしめた。
すると
友義は
初めて言った。
泣きながら…
「怖い…！
死にたく…ない…！！
那智…！」
泣きながら…
一生懸命に。
友義が初めて
弱音をはいた。
那智は
必死に涙をこらえ
何度も繰り返し言った。
「大丈夫
大丈夫…！」
二人は
抱きしめあいながら
必死に
友義の死を
考えないようにした。
しかし
その瞬間
友義は苦しみ始めた。
※19話へ続く
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