「見つけた!!」
いくつもの木々を飛び移り俺は足を止めた。
黒い装束に全身を包み背中に刀を背負った男が驚いたように俺を見てきた。
「ちぃ…」
「やっと見つけたぜ」
装束男は刀に手をかけた。俺は素早くベルトに付いたポシェットからクナイを抜き取った。
張り詰めた緊張感がひしひしと体に伝わってくる。
(これかぁ…相手の気迫に負けてたまるかよ!!)
睨みつけて俺は枝を蹴った。
突き出したクナイを刀で払われ、返しの刃が首を掠める。
(あ、危ねぇ〜…なんてな!!)
勢いのまま装束男の後ろに回り込む。
「はぁ!!」
全身に回転を加えて回し蹴りを放つ。
「ウグッ…」
メキっと嫌な音がして装束男は吹っ飛んだ。
「まだまだぁぁ!!」
目を凝らさないと見えないような細い糸を投げ付けて男の体を絡み取る。
「くっ…らぁあぁ」
糸を伝わってくる重みを感じながらグッと引き寄せる。
そして無防備な姿勢で突っ込んできた装束男の顎に膝蹴りを叩き込んだ。
男は枝から真っ逆さまに落ちて行った。ドスンッと鈍い音がして、俺は息を吐き出した。
「ふぅ〜〜…」