俊とは女友達のように仲が良かった。
俊は明るくて、おもしろくて、すぐにクラスの人気者になった。
『めぐちゃ〜ん!!』
俊が"めぐちやん"と言う時は大体宿題を写させてほしいと言う時だ。
『どぉーしたの〜?』
『宿題うつさせて♪』
……ほらね。
『はい。』
あたしはいつものように宿題をわたした。
『いや〜!!めぐちゃんやっさすぅぃー♪』
1週間に1回はこんなんだし。
あたしは意外と真面目に勉強してた。
だって、もうすぐ定期テストだもん。1発目は張り切らなきゃね。
その日の帰り道。
いつもみたく沙知と家まで30分の道をお喋りしながら帰った。
するといつも笑顔の沙知の顔が変わった。
『ねぇねぇ、……』
『…んっ?どーしたの?急に黙り込んじゃって〜』
あたしは沙知の顔を見た。
『めぐは俊くんのこと好きなの?』
あたしは、この時まだ人を好きになったことがなかったから沙知の言ってることの意味がわからなかった。
『えっと…、好きぢゃないよ』
(多分ね。)なんて言えなかった。
沙知の喜んでる顔見たらすぐに分かったよ。
俊が好きなんだって。