近辺警護?

森田  2006-11-06投稿
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身支度を終え、家の外で叶呼を待っている野郎二人組こと俺達。


貴博『眠い…』


飲みなれたコーヒーなど眠気覚ましにもならなかった。


非常に眠い。


博一『眠眠打破飲むか?』


博一がどこからかドリンクをだして差し出してきた。


貴博『サンキュ』


なかなか気が利く奴だ。


フタを捻り開封する。

博一『隠し味に俺の遺伝子を入れておいた』

俺は瓶を逆さにしたと同時に、前言も撤回した。


地球の重力にのっとり瓶の内容液は道路にブチまけられた。


博一『あぁ!何しやがんだ!冗談に決まってんじゃん!』


貴博『うっせぇ、飲む気失せた』


あぁ…なんて朝なんだ…。


博一『ケッ!人の行為を無下にしやがって』

と…そんな茶番を繰り広げている合間に数十m先に叶呼の姿を捕捉した。


こちらに向かっていそいそと走る姿がなんとも可愛らしい。


合流したところで学校に向かい歩きだす。


叶呼『おはよー野中……と誰だっけ?』


博一『太田だよ!太田博一!』


叶呼『そういえば本名初めて聞いたな…』


叶呼『…そうじゃなかった!野中!昨日大丈夫だった?怪我とかしてない?』


心底心配そうな様子で問い掛けて来る。


まぁ腹に大痣があるが。


貴博『あぁ、別にどこも怪我してないし。大丈夫だ』


心配させたかない。


叶呼『……で、何があったの?』


…そういえばまだ話してなかったな。



俺はあの時あった事を話した。


望のことは省いて。



叶呼『…』


貴博『安心しろ。近辺警護はまだ続ける』


叶呼『え?でもそんなの…』


予想とは外れた答えが返ってきたからだろう、かなりうわずった声を発した。


貴博『危険なのは百も承知だ、だから俺がいなきゃもっと危険な状況になるだろ?』


あの異常者…下手したら本当に叶呼を殺す気かもしれないしな。


叶呼『……じゃあ…お願いできるかな?』


貴博『任せとけ』


博一『オイ貴博』


突如博一の顔面が視界に侵入してきた。


貴博『うおっ、お前いたのか…』


完全に忘れてた。

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