「ねぇキスしようか」
真理子の発言には本当にびっくりする
「こんな人ごみの中で出来るわけないじゃん」
僕は恥ずかしくなりながらそう答えた
どれだけキスしてきたかわかんない
けど高揚感は未だにある
「今して欲しいの・・。お願い」
真理子が俺の顔を覗き込み嘆願してくる
仕方なく俺はそっと唇を重ねる
近くを歩いてるカップルの視線が痛い
それなのに胸がドキドキしている
どれだけキスしても足らない
別にキス魔ってわけじゃないが、真理子の唇の誘惑にはいつも負けてしまう
優しいキス
激しいキス
少し妖艶なキス
色々してきた
キスが終わった後の真理子の顔はいつも幸せそうだ
つい俺も幸せな気分になってしまう
俺はどうやら「キス」という悪魔に魂を奪われた
真理子と別れ、家路に着くと決まってメールが届く
「またたくさんキスしようね」
俺は少し恥ずかしくなりながらも一人枕相手にキスの練習をするのだ