地面から現れた竜は、大きな声をあげてから龍華に襲い掛かった。龍華はそれを軽々と避けた。
「それが御前の本気かよ?」
龍華は鼻で笑った。すると、秀はニッと笑って言う。
「まさか・・・」
そぅ秀が言うと、また竜が龍華に勢いよく飛んできた。
「また同じ手か?そんなの効くかよ」
龍華は、右に飛んだ。竜は龍華の左側の地面に突っ込んでいった。
「それは、どぅかな・・・?」
「!」
ドカァ―――ンッ
龍華の前に、もぅ1匹の竜が現れた。竜はすばやく右手のつめを龍華目掛けて突き出した。龍華は、あまりの速さに防御が出来なかった。
「うっ・・・」
龍華の肩から腰にかけて、竜の爪あとがつく。幸い、その傷はかすり傷だった。だが、傷からは血が流れていた。
「チッ・・・」
秀は龍華の傷の浅さに舌打ちをした。すると、倒れていたまどかが目を覚ました。
「よくも・・・」
小さく呟くと、まどかは両手を龍華の方に向けた。
「!」
龍華の体はいっきに重くなった。重力のせいで、体がだんだん下へと落ちていく。そして、地面にうつぶせの状態になったときにはもぅ龍華の体はつぶれてしまいそうなほど、とてつもない重力がかかっていた。
「そのまま、つぶれてしまえっ!」
まどかは大きな声で言った。すると、地面に小さくひびが入りだした。龍華の体は少しずつ地面にめり込んでいった。
「く・・・そっ・・・」
『龍華さん。負けないで・・・』
『俺達の力を龍華さんにも分けてやるよ』
その声が聞こえた瞬間だった。龍華は地面に手を付いて、とてつもない重力が体にかかっているのに起き上がろうとしたのは。